後手に回った法規制
金融業界というのは、ここ数十年だけでも激しく変化してきた業界です。ここで言う金融というのは銀行や証券という意味ではなく、あくまでも消費者金融のことです。銀行や証券についても激変の歴史があるわけですが、それと同じように消費者金融にもたくさんの変化がありました。
特に業界の関係者が目ざといことで知られる世界なので、当局がどれだけ目を光らせても対応が後手後手に回ってきたというのは否定できません。闇金のようにそのものズバリ違法というものは論外としても、法律の目をうまくかいくぐって次から次へと考え出される新手の金融には、それを観察しているウォッチャーからも感心されるほどです。
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例えば、「高級時計金融」というものがかつてあったのをご存知でしょうか。これは、お金を貸すとなると上限金利などさまざまな制約を受けますが、ここではあくまでも「高級腕時計を貸しただけ」という形をとります。高級腕時計というとロレックスなどが真っ先に浮かびますが、これを一定のレンタル料を取って貸し出すのです。借りた人はそれを腕に巻いてもいいですが、ほとんどの人はそんなことに使用しません。この腕時計を質屋などに入れて現金化してしまいます。するとどうでしょう、腕時計を借りた人はロレックスを質に入れた時に受け取った現金を手にすることができ、ロレックスを貸し出した業者は毎月のようにレンタル料が入ってきます。借りた人がそのロレックスをどうしたのかは関知せず、毎月のレンタル料という名目で貸し金の分割払いを受け取っているわけです。もちろんこれは永久に続くものではなく、一定の回数を経たらレンタルから買い取りということになり、ロレックスの所有権を借りている人に渡します。この時にレンタル業者が受け取る総額がロレックス代金より大幅に上回っているので、結果として金利収入を得たことになります。
実にうまく考えたものだと思いますが、今ではこうした物を介在させた事実上の金融は禁止されています。